オーストラリアでは州によって教育制度が異なりますが、基本的に中・高等教育では生徒ひとりひとりの個性を伸ばす教育に主眼が置かれています。オーストラリアの中学・高等学校教育はセカンダリースクールとして中・高一貫教育になっており、一般に7年生もしくは8年生から10年生までが中等部(Junior Secondary)、11年生・12年生が高等部(Senior Secondary)です。義務教育は10年生修了時までで、その後就職する人、TAFEや私立の専門学校に進学して職業訓練を受ける人がいます。多数の学生は大学進学希望者としてそのまま11年生と12年生に進学します
日本では私立校を選ばない限り自動的に地元の小学校に入るシステムになっていますが、オーストラリアでは保護者の判断で子供に合った学校を選ぶことができます。小学校といっても、各学校によってスポーツが盛んな学校、少人数制の学校、学業重視の学校など、それぞれ学校によって教育方針はさまざまです。
例えば、ニューサウスウェールズ州の学校への入学方法は、子供の就学年の1年前になったら希望する学校に予約を入れ、下見をした後、校長先生と面談をします。その後、子供の生年月日を証明する書類と一緒に願書を提出します。ニューサウスウェールズ州の公立校は、7月31日以前に5歳の誕生日を迎える子供はすべて受け入れます。5歳の誕生日が7月31日以降の場合は、次年度の入学になります。人気のある学校へは早めに願書を出さないとすぐに定員を超えるので、学校探しは早めに始めなければなりません。
詳しい情報は「幼稚園・小学校留学の基礎知識」をご覧ください。
オーストラリアの中学・高校は日本でいう中高一貫教育体制をとっています。州によって異なりますが、10年生(Junior Secondary School ・ジュニア セカンダリースクール)までが義務教育課程で、11、12年生(Senior Secondary School・シニア セカンダリースクール)が大学など高等教育機関への進学準備過程となっています。高校の選択肢は非常に幅広く、普通校のほかに進学校として選抜校(Selective High School・セレクテブ ハイスクール)や、語学、技術、農業、スポーツなどの専門科目を教える専門校(Specialist School・スペシャリストスクール)があります。公立の普通校は入学願書を出せば無試験で入れますが、それ以外の学校は入学選考をパスしなければなりません。
10年生を修了すると、それまでの学業成績の結果を記した義務教育修了証が発行されます。ニューサウスウェールズ州では州統一試験(School Certificate Examination)が実施され、その結果も併せて記載されます。義務教育修了証があれば卒業して仕事に就いたり、TAFEなどの職業訓練校へ進学できますが、多くの学生は中等教育修了証を取得するために進学準備過程(11、12年生)に進むのが一般的です。11、12年生では日本の大学1、2年時に履修する一般教育課程の一部も含まれているため、進学準備課程のうちに将来の進路をある程度決めておかなければなりません。
州が定めた期間中に規定の単位を取得すると、履修科目の成績を付記した中等教育高等学校修了証書が発行されます。これには学校の成績と統一試験の結果が併せて記されます。高等教育機関に進学する場合は、この修了証の評価をもとに州教育委員会がスコア(偏差値)を出します。高等教育機関は専攻コース毎に入学基準となる指数(大学入学指標)を定めており、取得したスコアが規定指数以上であれば希望するコースに入学できます。ちなみに、ニューサウスウェールズ州の州統一試験は一般にHSCと呼ばれ、卒業試験を兼ねているため進学準備過程に進んだ学生は全員が受験することになります。
要約すると、大学入学には試験がなく、中等教育の卒業試験(州統一試験)が大学入学試験を兼ねており、11、12年生の進学準備期間を通しての長期的な成績評価、2年間に取得した単位数とその間に取り組んだ課題の成績と、この統一試験の結果が各大学/学部への入学基準となります。
詳しい情報は「中学・高校留学の基礎知識」をご覧ください。
オーストラリアの高等教育機関には大学とTAFEと呼ばれる専門教育機関があり、TAFEとほとんどの大学は州政府の管轄下にあります。
TAFEは日本の専門学校に相当し、全国に約250校あります。コースは、福祉、ビジネス、コンピューター、エンジニアなど、専門技術職を身に付ける6ヶ月から3年のコースがあります。仕事に就きながら学校へ通うこともできるように、パートタイムや自宅で学べるコースも充実しています。入学最低年齢は15歳からとなっており、ジュニアセカンダリースクール修了後入学することができます。
留学生の場合(学生ビザ保持者)、成績証明書にIETLSまたはTOEFLの結果を添えて学校に直接申し込むのが一般的です。入学月は2月と7月の年2回ですが、学科によっては1年に1度しか開始日がありません。よって、入学日を逃さないように、できるだけ早い段階で詳細の問い合わせ、入学手続きを開始するのが賢明です。日本から成績証明書や卒業証明書を取り寄せて翻訳することを考えると、意外と時間は必要なものです。英語力の基準はIETLS 5.0~5.5またはTOEFL 173(筆記試験530)以上です。なお、学生ビザではパートタイム就学、在宅就学(コレスポンデンス)はできませんので、留学生はフルタイム就学が条件です。
詳しい情報は「TEFE・専門学校留学の基礎知識」をご覧ください。
大学や大学院では学士号(Bachelor Degree)、修士号(Master)、博士号(Doctorial)コースのほか、学士課程より短期で基礎を学ぶディプロマ(Diploma)、アソシエイト・ディプロマ(Associate Diploma)、アドバンスド・サティフィケート(Advanced Certificate)の各コース、学士号取得後に専門分野を実践的に学ぶポストグラジュエイト・ディプロマ(Postgraduate Diploma)コースなどがあります。学位取得期間は、ディプロマなどの短期コースが半年~3年、学士号が3年(医学は6年、建築、歯科、獣医は5年)、修士号が1~2年、博士号が3年というのが一般的です。
入学方法、入学期間はTAFEとほぼ同じです。各大学や学部によって求められる英語力は異なりますが、学士号でIELTS 6.0~7.0またはTOEFL 213(筆記試験550)以上です。大学と提携している語学学校や専門学校などに通っている場合、IELTSなどのスコアがなくても入学できる「ダイレクトエントリーシステム」もあります。
詳しい情報は「大学・大学院留学の基礎知識」をご覧ください。
出身国によって規制が異なるものの、基本的にはオーストラリアで勉強をしたいと願う世界中の人に門戸を開いており、全土で語学学校(大学・TAFEの付属や私立)、専門学校(TAFEや私立)、幼稚園・小学校、中学校・高校、大学・大学院、企業への留学生や研究生の受け入れ態勢が整っています。単なる語学留学だけではなく、興味のある分野、伸ばしたい分野の専門的な教育を受けることもできます。また短期留学やホームステイ体験など、気軽にオーストラリアへ留学したい人へのオプションも準備されています。
受け入れ態勢は十分に整っていますから、期間、目的に合わせて、まず自分に合う留学スタイルを見つけることが大切と言えるでしょう。

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